スーパーやドラッグストアでよく見かける「まとめ買いでお得!」のポップ。
「3個で300円」「ファミリーパックは単品の2倍入っていて1.8倍の値段」など、つい財布のひもが緩んでしまいます。
しかし数学的に考えると、まとめ買いが必ずしも「得」になるわけではありません。
ここでは 数量・消費効率・時間的価値 の観点から分析してみましょう。
1. 「単価」で見ると得に見える罠
例えば、単品120円のヨーグルトが「3個で300円」。
単価は 120円 → 100円 に下がります。
- 単品3個買うと 120円 × 3 = 360円
- セットで買うと 300円
確かに 60円の節約 です。
でも数学的に大事なのは次のステップ、
「本当に3個すべてを消費できるのか?」です。
2. 消費効率を考えると逆転する
仮に2個しか食べられず、1個を期限切れで捨ててしまった場合。
- 支払った金額 = 300円
- 実際に得た商品 = 2個
- 1個あたりの実効コスト = 150円
つまり、単品購入より高くなってしまう のです。
このように「まとめ買いは得!」と感じても、廃棄リスクを計算に入れると損になることがあります。
3. 消費ペースとのバランス
数学的に考えるなら、次の式を使えます:
実効単価 = 支払額 ÷ 消費できた数量
- 消費数が購入数と一致すれば割安
- 消費数が少ないほど実効単価は跳ね上がる
たとえば「10個入りの袋菓子が400円」で1個40円。
でも3個しか食べずに残りを捨てたら、
実効単価は133円 に。
「自分の消費ペースに合う数量か?」 これがまとめ買い判断の数学的チェックポイントです。
4. キャッシュフローの視点
もう一つ大事なのは「今の出費」。
例えば、単品100円の調味料を毎回買う場合と、
まとめ買いで10本セット800円を買う場合。
- 単品:1本買うごとに100円(必要な時だけ出費)
- まとめ買い:一気に800円(今すぐ出費)
確かに単価は下がりますが、手元のお金が一時的に減るデメリットがあります。
その分、別の機会で「投資できた利益」「別の買い物の割引」などを逃す可能性もあるのです。
5. 結論 ― 「まとめ買いは計算してから」
まとめ買いが得か損かは、次の3点を計算すれば一目瞭然です:
- 消費効率:本当に全部使い切れるか?
- 実効単価:捨ててしまった場合はいくらになるか?
- キャッシュフロー:今、必要以上のお金を出す余裕はあるか?
数学の視点で冷静に考えれば、「まとめ買いは必ず得」という思い込みから解放されます。
結局のところ、「お得」は割引率ではなく、自分の消費ペースと財布事情で決まる のです。
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