投資信託と数学:複利の力を最大化する方法


「投資信託」や「積立NISA」という言葉をよく聞くようになりました。


以前は投資というと「株価の上げ下げを読むプロの世界」というイメージでしたが、今では一般の人でも少額から始められる身近な選択肢になっています。

私自身も社会人2年目に積立NISAを始めました。

当初は「本当に増えるのか?」と半信半疑でしたが、数年後、数学的な仕組みを理解してから「これは確率と複利を味方にする仕組みだ」と実感するようになりました。

この記事では、複利・期待値・リスク分散 といった数学の考え方を使って、投資信託の本質と賢い運用方法を解説します。

1. 複利とは何か?

まず押さえておきたいのが 「複利(compound interest)」 です。


複利とは「利息が利息を生む仕組み」のこと。

たとえば、年5%の運用を想定して、100万円を投資するとします。

年数元金+利息増加額
1年目105万円+5万円
5年目約127.6万円+27.6万円
10年目約162.9万円+62.9万円
20年目約265.3万円+165.3万円

単利(毎年5万円ずつ増える)なら10年後150万円ですが、複利では162万円超


つまり、時間が経つほど「増え方が加速」します。

この「加速」は指数関数的な性質を持っており、数学では

最終金額 = 元金 × (1 + 利率)ⁿ
で表されます。
(nは年数)

2. 投資信託の複利を活かす「積立投資」

投資信託では、少額を定期的に積み立てていく「ドルコスト平均法」がよく使われます。

たとえば、毎月1万円を年5%で20年間運用した場合、


→ 元金:240万円
→ 複利での運用益:約160万円
→ 合計:約400万円

となります。

これが 「時間を味方にする投資」 です。

実体験:私の積立NISA

私は社会人2年目から月1万円を積立NISAに投資しており、今で5年目です。


元金60万円に対して、評価額は約75万円(約25%増)。


もちろん短期的には上下しますが、「数式通りに増えている」と感じます。

3. リスクと期待値:投資を確率で見る

投資にはリスクがあります。


毎年5%で安定して増えるわけではなく、+10%の年もあれば−5%の年もあります。

しかし、数学的に考えると、

「1年ごとの変動はあっても、長期的に平均リターン(期待値)に近づく」
という性質があります。

これを 大数の法則(law of large numbers) と言います。

たとえば、年平均5%のリターンが見込まれる投資信託を20年間続けると、
短期的な波があっても、最終的にはほぼその平均値に収束 していきます。

4. 分散投資は「確率の安定化」

リスクを減らすもう一つの数学的手法が「分散投資」です。


異なる資産(国内株・海外株・債券など)を組み合わせると、価格変動の方向が異なるため、全体のブレが小さくなるのです。

これは確率論でいう「分散(variance)」を下げる操作にあたります。


実際、株式100%の投資信託よりも、株式70%+債券30%のほうが値動きが穏やかになります。

5. 数学的に見る「いつ始めるか問題」

多くの人が「タイミングが大事」と言いますが、数学的には 「早く始めたほうが有利」 です。

例:毎月1万円を積み立て、年5%で運用した場合

開始年齢20年間積立積み立ての差
25歳開始45歳時点:約400万円0万円(基準)
35歳開始55歳時点:約260万円-140万円

たった10年の差で 140万円の差


これは「複利効果が効く時間」が異なるためです。

私自身、社会人2年目から始めて「もう少し早く知っていれば」と思いました。

6. 複利を最大化する3つのコツ

(1) 手数料を最小限にする

投資信託の信託報酬(運用コスト)は年0.1〜1%ほど。


一見小さく見えますが、複利で長期になると大きな差に。

例えば年5%の運用で0.5%の手数料を取られると、30年後には50万円以上の差が出ることも。


インデックス型の低コストファンドを選ぶのが数学的に最適

(2) 感情に左右されず、定期的に積み立てる

一時的な下落でも、「平均回帰の原理」により価格は長期的に戻る傾向があります。


途中でやめると複利の連鎖が止まるので、淡々と続けることが重要

(3) 配当を再投資する

配当を受け取らずに再投資すれば、利息がさらに利息を生む。


これが「真の複利運用」。


私も「再投資型」を選んでから資産の増え方が目に見えて変わりました。

7. 実体験から見た「投資の数字的安心感」

投資を始める前は「損をしたら怖い」と思っていました。


しかし、始めて数年経つと、数字の変化を見ているうちに「リスク=確率の波」と理解できるようになりました。

  • 短期では±10%のブレ
  • 長期では平均+4〜6%に収束

これはまさに数学の世界そのもの。


今では毎月の値動きを「実験データを見る感覚」で楽しんでいます。

8. 数字で見える将来の安心

たとえば、月2万円を年5%で30年間運用した場合、


→ 元金:720万円
→ 運用益:約830万円
→ 合計:約1550万円

つまり「貯金だけなら720万円」のところを、数学の力(複利)で倍以上に増やせるのです。


これが「お金が働く」という仕組み。

まとめ

本記事では、「投資信託と数学」の関係を複利・確率・期待値の観点から解説しました。

  • 複利は指数関数的に増える(時間を味方に)
  • リスクは確率で平均化され、長期で安定する
  • 手数料・再投資・分散が複利の効率を左右する
  • 感情ではなく「数字」で判断するのが成功の鍵

私の体験からも、投資は「一攫千金」ではなく、数学的に計算された地道な積み重ね だと確信しています。


毎月少しずつの積立でも、数年後・数十年後には驚くような結果になります。

つまり、投資信託は「数学の美しさをお金で体験できる分野」なのです。

PROFILE


タカハシ

国立大学理系学部→某メーカー勤務

日常生活に数学を取り入れる新たな節約を考案。

約15万円/年の節約に成功。

現在は本サイトやnoteなどで数学を用いた節約法を発信中。

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